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Channel: くぐる鳥居は鬼ばかり
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神原之渡し ・ 仁太坊誕生150周年記念碑 (五所川原市金木町神原)

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神原村は金木新田18村の内の1村で元禄11年頃に成立した村。元は蒲原と書きました。これは方言で蒲原(ガヅキ原)と呼ばれ、水草のマコモのこと。蒲はガマに由来。つまりマコモ・ガマが生育していた地域だと考えられ、後に「神が授けた原野」もしくは「被る原=涵原(水につかる原)」から神原になったという説があります。集落ははじめ金木川付近にありましたが宝永3年の大洪水後に現在地に移転。享保14年3月の大雨・洪水によって村が1度全滅しています。
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神原村と繁田村の間には岩木川を挟んで神原渡がありました。元文元年の検地水帳には「小屋六間・四間二十四歩渡シ守一ヶ所」と渡守小屋があると書かれています。渡守小屋は金木川と岩木川の合流点より約3町下流に設けられた岩木川の神原渡場にあり、同渡場は岩木川左岸の広須組・木造新田の村々と金木組・金木新田の村々を結ぶ重要な渡場で、享保2年(1717)には9代藩主津軽寧親が新田地方巡視の際にも利用しています。嘉永5年(1852)には幕末の志士吉田松陰と宮部鼎蔵が五所川原市田川から舟で川向のつがる市木造芦屋へ渡り、堤防を旧稲垣村繁田まで歩き、繁田から舟で神原の渡場へあがって紺屋(蒔田の田中家(豪農田中長十郎)。紺屋は旧蒔田小学校跡にあり、屋敷の一角に吉田松陰昼食の跡の石碑があります。)で昼食をとり、その後舟で芦野の渡場に着き歩いて中里へ向かっています。明治41年(1908)10月に神田橋が竣工したのと同時に渡船は廃止。
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「史跡神原之渡し」・「史跡十三館岡街道吉田松陰ゆかり之地」・「賛助金木町町長田中勇治・建立者白川兼五郎・筆者吉田翠石」・「のぼる真帆くだる片帆のしげくして船うたゝえぬ川の面かな 八幡宮社司十三代笹木千影」とあります。
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隣の碑には「津軽三味線始祖仁太坊之里」(大條和雄筆)とありました。
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裏面。平成5年5月3日建立。
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仁太坊の里碑…『津軽三味線の始祖仁太坊こと秋元仁太郎は安政4年7月7日●●(見えないけど誕生したという意)。8歳の時疱瘡がもとで失明。12、3歳頃から女三味線弾きより手ほどきを受けたという。「俺は乞食ではない。芸人だ」というのが口癖だったという。』
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神原之渡しの近くにあった地蔵堂。
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2代目神田橋は現在の橋より375m上流にあり、初代の位置に戻った3代目神田橋。
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橋の近くに立っていたのはお墓でした。一基だけここに。秋元家とあったので仁太坊家と係りのあるお墓かも知れません。
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神原之渡しから稲荷神社方面に歩いて行くと、神原コミュニティ消防センター前に仁太坊誕生150周年記念碑(平成19年7月吉日建立。揮毫・撰文:大條和雄)があります。
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『末ばて能くなる仁太坊の三味線こ』
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裏面碑文…『仁太坊(秋元仁太郎)は安政4年(1857)7月7日此の地金木神原に生まれた。母は産後の肥立ちが悪く早世した。岩木川の渡し守の父三太郎に育てられたが8歳のとき流行の天然痘で失明した。この不運は神の試練と啓示であったように仁太郎少年はシャーマン(異能者)的才能を顕わし村人の一人一人の名を声だけで当てた。風雨、小鳥、動物、虫の音、神原舟場を渡る旅芸人の笛、尺八、三味線、太鼓の音を豊かな超人的感性で聴き潜在素養を蓄えていった。慶応4年父が急逝し天涯孤独の身となったとき、いっときの盲女芸人手解きの三味線で門付けをはじめた。日本は明治の近代国家を迎えていた。幼稚な三味線を弾く仁太郎少年はホイド(乞食)と卑しめられた。負けじ魂の仁太郎少年は芸の鬼となった。創意工夫を重ね八人芸や叩き三味線など新しい芸を創り出していった。やがて神原の仁太坊を名乗ると津軽の盲目少年の生きる道しるべとなった。憧れ慕う弟子たちに仁太坊は型破りの新しい教授をした「人真似でない汝の三味線を弾げ」であった。この根っこの発展原理が弟子から弟子へ伝えられ今日の現代津軽三味線が成立した。現在津軽三味線を弾くすべての人の系譜を手繰れば仁太坊に辿り着く。豪放磊落、酒好きで、世話好ぎで、芸魂に燃え尽きた誇り高き仁太坊は昭和3年11月2日神原で71年の生涯を閉じた。俗界に在りながら俗人離れした聖芸人の一生であった。合掌  腕くらべ 聴けや仁太坊 俺が三味(大会テーマ句)』
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隣にはお位牌がありました。中央には「絃魂」とあります。お位牌には「常念院法故善信士仁太坊・秋月院妙満信女まん」と刻まれています。お位牌に直接手を合わせることができるのはありがたいことです。
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