臨江庵は元来天台宗の寺でした。寺社修験本末支配之記によりますと、聖寿寺末。寺伝によりますと、当地を訪れた天台宗の修行僧が北上川古川近くに沼沢があって風光絶佳であったことから草庵を結び臨江庵と称したといいます。
後に聖寿寺中興の大道生安の代、延宝3年(1675)にその高弟静岩祖因を一世として臨済宗として開山。なお、盛岡砂子にりますと、同寺2世涼室の開基。本尊は釈迦如来。
明治17年(1884)の大火の際に類焼しますが、大正14年(1925)に堂宇を再建し現在に至ります。
十王像が盛岡市指定文化財。秦広王、初江王、宋帝王、五官王、閻魔王、変成王、大山王、平等王、都市王、五道転輪王の十体すべてが寄木造の彩色像。同一仏師の製作と見られ造り込みも丁寧。
江戸初期の終りから中期初頭にかけての製作と見られ、この大きさで十王像すべてがそろっているのは県内でも珍しいもの。